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「不安」という感情の向き合い方

不安というものを「悪・ないほうがいいもの」として考えていることがそもそも間違いだと思う。

そもそも不安を全く感じずに生きていくのは不可能です。なぜならば地球に産み落とされる際に、初期装備として勝手に人体に搭載されているものだから。こんなオプションいらねーよと思うかもしれないけど、いらねーよと言われてもそれは神様にでも文句をいってください。たぶん香川あたりでうどん食べてると思います。

そもそも不安感情って非常に優秀で、ビビリなお猿が生き残ってきたんですよね。わたしたちはその子孫なわけです。ビビリ猿。あなたもわたしもビビリ猿。

不安だから食べ物を貯蓄しておこう。不安だから誰かと一緒にいよう。不安だから家の中で眠ろう。そうやって生存確率を上げた優秀な遺伝子しか残らなかった、生き残れなかったんですよね。そんな中でも新規土地をガンガン開拓していってくれたのがいわゆるじっとしていられないADHDの人たちらしいです。わたしはそれを知ってからADHDの人々がちょっと愛おしくなりました。

と考えると不安になったときには「おお、わたしの優秀な遺伝子がうずいている…」とでも考えておけばいいのです。

と言ってもまあ、できればたのしいとかうれしいとかそういう気持ちのほうが心地良いですよね。そらそうや。

ただ、じゃあ不安を解消するために「自分が何に対して不安に思っているのか」これを明確にする必要があるわけですが、そんなことができていたら今更こんな記事読んでいないですよね。抽象度が高すぎて考えにくいんだと思います。だから漠然と不安になってしてしまう。そんなときはこう考えてみてください。「自分は何を失うのを恐れているんだろう?

不安の正体をネタバラシしますが、

不安は、何かを失うことへの恐れです。

よく「お金の不安」と聞きますが、それってつまり「お金がなくなることで失うものがある」と思ってるから不安なんですよね。お金がなくなることが不安なんじゃないの。それによって何かを失うのが怖いの。

それは家かもしれない。家族かもしれないし、今つるんでいる友人たちかもしれない。大事にしている時計とか、社会的な地位とか名誉かもしれない。

家賃が払えなくなったらどうしようとか、病気になったらどうしようとか。なにを失ってしまうんだろう、って。

もっともっと真剣に不安になったほうがいいと思うんですよね。「わたしいっつも不安で…」という人にわたしはよく、足りないって言います。もっとちゃんと不安になりましょう?って言うとみなさんびっくりされるんですけど、最初にも言いましたが、不安感情=悪と思っている人はちゃんと向き合うことができていません。悪いものだと思っているから、考えないように考えないようにしてしまうんだよね。

が、不安っていうのはそんなに怖いものじゃない。んですよ。ほんとに。不安太郎が「あの〜…」って出てきた瞬間に「うわああ!出た!!帰って!早く帰ってよ!!」って突き返してしまいがちなんだけど、笑 「どうぞどうぞ」ってざぶとん敷いてお茶でも出してやると結構冷静に話し合える存在なんですよ、太郎は。

例えば、あなたが仕事を辞めようか悩んでいたとして。不安太郎との対話はこんな感じになります。

「今の仕事を辞めたら、家賃が払えなくなるだろ?それが不安なんだよ」「そっかあ。家賃が払えなくなるのが不安と思っているんだね。仮に家がなくなったとして、実家や友人は頼れそう?」「うーん。知り合いに迷惑はかけたくないしなあ」「ほお、迷惑をかけたくないのか。それはなんで?」「えー…迷惑かけたら…なんかウザがられそうじゃん」「なるほどね。つまりあなたは知り合いに嫌われるのが怖いんだ」

あら。家賃が払えなくなる不安のせいで退職を悩んでると思っていたけど、自分のやりたいこと(仕事を辞める)の邪魔をしているのは、知り合いから嫌われるかもしれないという不安のほうだったみたいですね。

「じゃあ、嫌われてもいい対象に頼るのは?たとえば、国とか。ほら、生活保護とかさ」「生活保護!?やだよそんなの!」「なんで?」「えー…、そこまで落ちぶれたくないよ」「どうして落ちぶれたくないの?」「だって…周りにバレたら恥ずかしいじゃん」「バレたくないんだ。それはどうして?」「バレたらなんかバカにされそうじゃん。可哀想なやつって思われたくないよ」「なるほどね。つまりあなたは人の評価を気にしてるんだね」「…やっぱ、嫌われるのが怖いんだな、おれは」

わかりましたか?家を失うことで、好感度やプライドを失う。本当はここに不安を感じていたんですね。全然実家に帰れますよーとか、むしろ家事をするなら喜んで泊めてくれる友人がいますよー、という人は、同じ状況だとしても家賃が払えなくなる自体に不安は感じないはずですし、全然生活保護でいいッスって思ってる人は好感度やプライドより自分のやりたいことを優先するはずです。

これはつまり、この人の性質なんですよね。他人が良いと言ったもの→良い、他人が悪いと言ったもの→悪い。自分の価値基準ではなく、他人の価値基準で意思決定しているんだなーって。だとしたら、そんな人生楽しいですかね。仮に、自分の好き嫌いに正直に生きたくらいで失う人間関係なんて、それほんとに大事ですかってわたしは思います。

家がなくなって困ってるときにバカにせず泊めてくれる存在、うまくいかないときに陰口を叩かないコミュニティ。そういう居場所がないならそりゃあ不安だし、これから先もなにかに挑戦しようとするたびに重くのしかかってくるでしょう。他人の目が怖いっていうのは、実は安心できる人間関係を築けていないのかもしれないですね。

こんなふうに、不安は怖いものでも嫌なものでもなくて、自分を知る最高のきっかけの連続です。

だから実は楽しい作業だったりするんですよ。不安と真剣に向き合うことって。

とにかく今日言いたかったのは、なにかしら今自分が不安を抱えているのなら、ざぶとん敷いて、お茶出して、不安と真剣に向き合うという作業をしてみてくださいということ。

みんな、足りない!笑 足りないんです。

もっともっとちゃんと不安になって、って思います。そしたらどんどん余計なものが削ぎ落とされて自分にとって大事なものだけが残ります。そこじゃないーで悩んでる人って結構多いんですよ。

自分との対話はすごーーーーく時間がかかります。心って、目に見えないし。正解はないし。すごくむずかしい問題ではあるんだけど、だからこそ解いていくのが楽しくもあるんですよね。

1回頑張って頭の中のもやもやをほどいてしまうと、また絡まったときに前よりもすぐほどけるようになります。これは私の実感として確実にあります。絶対に、人生生きてたら絡まるから、そのたびにほぐしてあげる必要がある。その積み重ねでどんどん自分軸が定まっていくんだと思いますよ。

ぜひぜひ。

右手にはざぶとん。左手にはお茶。

自己対話を大切にされてみてください。

ちゃんとほどけたとき凄く生きやすくなりますよ。

ではでは



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